毎朝、洗面台の鏡を見るたびに、気分が少し沈む。
最初のうちは「そういう日もあるか」と流せていた。でも最近気づいたのは、それが毎日続いているということだ。
原因はわかってる。頭頂部だ。
20代のころは気にしなかった。「薄毛の人なんてどこにでもいる、別にいいじゃないか」と思っていた。でも、自分のことになると話が変わる。
なぜ気になるのか、ちゃんと考えてみた。
答えは単純だった。——周りが「知っている」からだ。
職場の同僚も、地元の友人も、今の自分の頭の状態を知っている。それが分かっているから、視線が気になる。気にしすぎかもしれない。でも気になるんだ、これが。
薄毛を気にしない人は世の中にたくさんいる。メンタルが強い人を見ると、正直うらやましいとも思う。でも僕は気にするタイプなんだ。これは性格だ。変えようと思っても、なかなか変えられない。
だから、「環境ごと変えてしまえ」という発想に行き着いた。引越しという答えに。
まず、その前にやることがある。次の話から、本格的に動き始める。