本心は、はっきりした。ナデシコさんに、気持ちを伝える。それしかない。
なのに、最後のひと押しが、どうしても出ない。怖がりは、こういうときに本当に困る。
気づいたら、僕はまた、あの電話占いを開いていた。二度目だ。
一度目のとき——好きな人ができた、と相談したあの夜——占い師さんに背中を押してもらった。あれが効いたから、また頼ってしまった。
男が、恋愛のことで、二度も電話占い。我ながら、本当に格好がつかない。でも、もう、なりふり構っていられなかった。
状況を話すと、占い師さんは、少し笑ったような気配のあと、こう言った。「あなた、もう答えは出てるみたいですね。私が言うことは、何もありませんよ。あとは、伝えるだけ」。
図星だった。僕は、許可がほしかっただけなのかもしれない。「伝えていい」という、誰かからの、ひと押しが。
電話を切って、僕は深呼吸をした。
言おう。フラれてもいい。隣の席で気まずくなってもいい。それでも、言わないまま後悔するよりは、ずっといい。
——それと、もう一つ。伝えなきゃいけないことが、僕には、ある。
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